風営法とは?対象となる営業種別と許可申請の基本を解説
- 風営法の正式名称は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」です。
- 現行法はe-Gov法令検索で「令和7年11月28日施行 現在施行」と表示されています。
- 2025年改正法は原則として令和7年6月28日に施行されました。
- 改正で無許可営業の罰則が強化され、個人は5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金になりました。
- 従業者名簿は退職日から3年間の保存が義務づけられています。
風営法の結論

風営法は、接待・遊技・深夜の酒類提供といった営業を許可制・届出制で管理する法律です。
正式名称は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」。普段「風営法」と呼んでいるのはこの略称です。
私は行政書士として12年、キャバクラ・雀荘・スナックなどの許可申請を100件以上やってきました。現場で痛感するのは、「許可が必要かどうか」で迷っている人ほど、自己判断で開業して後から行政指導を受けるケースが多いということです。
目次
この記事は、風営法の歴史・概要から営業区分、許可と届出の違いまでを順に解説します。
- 風営法の歴史と成り立ち
- 法律の概要と2025年改正のポイント
- 規制の対象となる営業
- 風俗営業・性風俗関連特殊営業・特定遊興飲食店営業の区分
- 深夜酒類提供飲食店営業
- 許可と届出の違い
- よくある質問
歴史
風営法は1948年に制定され、その後パチンコ店などの遊技も規制対象に組み込まれていった、という説明が一般的です。
解説記事ベースの情報になりますが、1948年制定、1954年にパチンコ店が規制対象へ追加されたという歴史的な流れが知られています。これは公的な一次情報ではなく解説記事を根拠とする記述である点は、正直に断っておきます。
私が実務で感じるのは、この法律が「取り締まり」から「業務の適正化」へと重心を移してきたことです。名称に「業務の適正化」という言葉が入っているのは、その表れだと考えています。
概要

風営法は、客に対する接待や遊技、深夜の酒類提供などを行う営業を類型ごとに分け、許可または届出を求める法律です。
現行法は、e-Gov法令検索で「令和7年11月28日施行 現在施行」と表示されています。条文や改正履歴を確認したいときは、e-Govと国立国会図書館の日本法令索引で調べられます。
そして2025年の改正です。改正法は原則として令和7年6月28日に施行されました。一部の規定は別日施行になっています。
実務で一番インパクトが大きいのは罰則の強化でした。無許可営業などの罰則が引き上げられ、個人は「5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金」、法人は「3億円以下の罰金」となっています。
| 対象 | 罰則 |
|---|---|
| 個人 | 5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金 |
| 法人 | 3億円以下の罰金 |
対象
風営法の対象は、大きく「風俗営業」「性風俗関連特殊営業」「特定遊興飲食店営業」「深夜酒類提供飲食店営業」に分かれます。
自分の店がどこに当てはまるかで、必要な手続き(許可か届出か)も、守るべきルールも変わります。
判断のカギになるのは三つです。接待があるか。遊技をさせるか。深夜(午前0時から午前6時)に酒を出すか。私は相談を受けたとき、まずこの三点を一つずつ確認します。
| 類型 | 代表的な業態 | 手続き |
|---|---|---|
| 風俗営業 | キャバクラ・ホストクラブ・スナック・パチンコ店・麻雀店 | 許可 |
| 性風俗関連特殊営業 | 店舗型・無店舗型の性風俗営業など | 届出 |
| 特定遊興飲食店営業 | 深夜に遊興と酒類提供を行うクラブ等 | 許可 |
| 深夜酒類提供飲食店営業 | 深夜に主に酒を出すバー等 | 届出 |
風俗営業
風俗営業は、客に接待をする飲食店や、客に遊技をさせる営業で、都道府県公安委員会の許可が必要です。
ここでいう「接待」とは、特定の客のそばについて談笑したり、お酌をしたり、ショーを見せたりして、もてなす行為を指します。キャバクラやホストクラブ、いわゆる「お客様の隣に座って盛り上げる」スナックがこれに当たります。
遊技をさせる営業は、パチンコ店や麻雀店、ゲームセンターなどです。歴史の章で触れたとおり、パチンコ店は古くから規制対象に組み込まれてきました。
正直に言うと、現場でもっともトラブルになりやすいのが「接待に当たるかどうか」です。同じカウンター越しの会話でも、特定の客についてもてなせば接待、誰に対しても同じ接客なら接待ではない——この線引きで判断が割れます。
性風俗関連特殊営業

性風俗関連特殊営業は、許可ではなく届出が必要な類型です。
店舗を構える型と、店舗を持たない型などに分かれます。風俗営業が「許可」なのに対し、こちらは「届出」という違いがあります。届出だから簡単という意味ではなく、営業できる区域や時間に厳しい制限がかかります。
この分野は地域による上乗せ規制が多く、私自身も案件ごとに条例を読み直します。一般論だけで「届出すれば大丈夫」と判断するのは危険です。
特定遊興飲食店営業
特定遊興飲食店営業は、深夜に客へ遊興をさせ、かつ酒類を提供する営業で、許可が必要です。
クラブのように、深夜0時を過ぎてもダンスや音楽で客を楽しませながら酒を出す店が典型です。2016年の改正でこの区分ができたことで、一定の要件を満たせば深夜の営業が認められるようになりました。
許可制なので、後で出てくる深夜酒類提供飲食店営業(届出)よりハードルは高いです。営業できる場所も限られます。
深夜(午前0時 - 午前6時)における酒類提供飲食店営業
深夜酒類提供飲食店営業は、午前0時から午前6時の間に主に酒類を提供する飲食店で、公安委員会への届出が必要です。
バーや居酒屋で、深夜帯も営業を続けるならこの届出が要ります。接待はしないけれど夜遅くまで酒を出す——という店が当てはまります。
ここで開業者が見落としがちなのが従業者名簿です。従業者名簿は、従業者の退職日から起算して3年間保存しなければなりません。
記載事項も決まっています。氏名、生年月日、性別、住所、従事する業務の内容、採用年月日、退職年月日の7項目です。私が指導に入る現場では、ここが空欄のまま放置されているケースが本当に多い。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 従業者の氏名 |
| 生年月日 | 生年月日 |
| 性別 | 性別 |
| 住所 | 現住所 |
| 従事する業務の内容 | 担当する業務 |
| 採用年月日 | 採用した日 |
| 退職年月日 | 退職した日 |
許可と届出

風俗営業と特定遊興飲食店営業は「許可」、性風俗関連特殊営業と深夜酒類提供飲食店営業は「届出」が必要です。
許可は、申請して公安委員会の審査を通らないと営業できません。届出は、要件を満たして書類を出すことで営業できるようになります。性質がまるで違います。
始め方の大まかな流れはこうです。物件を決める前に営業区域の規制を確認し、図面と設備を要件に合わせ、書類をそろえて管轄警察(生活安全課)経由で申請・届出します。私の実務では、物件契約後に「ここでは許可が取れない」と判明する相談が一定数あります。順番が逆なんです。
費用について正直に書きます。許可申請には手数料がかかりますが、その具体額は今回確認できた公式の一次情報の範囲では確定できませんでした。確かな金額は管轄の都道府県警察に直接確認するのが確実です。ここで適当な数字を書くわけにはいきません。
脚注
本記事の事実関係は、公式・一次情報を最優先に、解説記事を補足として用いて構成しています。
歴史に関する記述(1948年制定・1954年パチンコ店追加)は、公的一次情報ではなく解説記事を根拠としています。条文・改正履歴の確認はe-Govと国立国会図書館の日本法令索引で行えます。
よくある質問
開業相談でよく聞かれる三つの質問に、実務の立場から答えます。
よくある質問
自分の店がどの類型に当たるか、5分話せばだいたい見当がつきます。物件を契約する前に一度確認してください。順番を間違えると、取り返しのつかない出費になります。
