2026年6月20日|風俗営業許可について、制度の正確な解説と実務(費用・流れ・依頼先)を一次情報にあたって整理するメディア。
ホーム › 風営法許可とは?営業種別・地域・時間の規制と申請手続きを解説

風営法許可とは?営業種別・地域・時間の規制と申請手続きを解説

栗原 誠司 / 更新:2026-06-20
「自分の店は風営法許可がいるのか、いらないのか」——開業準備でまず引っかかるのがここです。結論から言うと、お客さんを接待したり、客に遊技をさせたり、深夜にお酒を出したりする営業は、都道府県公安委員会の許可か届出が必要になります。
  • 風俗営業は原則として都道府県公安委員会の許可が必要(風営法第3条)。
  • 許可申請は営業所を管轄する警察署を経由して行うのが通常。
  • 許可の要件は「人的要件」「場所的要件」「構造的要件」の3つで判断される。
  • 住居系の用途地域では、そもそも風俗営業の許可が下りない。
  • 無許可営業には刑事罰があり、後から取り返しがつかない。

私は行政書士として12年、風俗営業許可の申請を専門にやってきました。キャバクラ、スナック、雀荘の許可を100件以上手がけています。

この記事では、許可がいる業種・いらない業種の線引きから、申請の流れ、必要書類までを、現場で実際に使える形でまとめます。

風営法許可の結論

風俗営業許可(スナック・キャバクラ)の全体像を熊本の行政書士がわかりやすく説明します
風俗営業許可(スナック・キャバクラ)の全体像を熊本の行政書士がわかりやすく説明します

風営法許可とは、お客さんを接待したり遊技をさせたりする営業を始めるために、都道府県公安委員会から受ける許可のことです。

根拠は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第2条と第3条。ここで対象となる営業類型と、許可制であることが定められています。

ポイントは「許可」と「届出」が混在していること。キャバクラや雀荘は許可営業、深夜にお酒を出すバーは届出営業、といった具合に手続きの種類が分かれます。

自分の店が「許可」なのか「届出」なのか、まずここを取り違えないこと。許可が必要なのに届出で済ませると、無許可営業として刑事罰の対象になります。

手続き

風営法許可の手続きは、営業所を管轄する警察署の生活安全課を窓口にして進めます。

申請書を警察署に提出すると、書類審査と店舗の現地調査(実査)が入ります。図面どおりに店舗が作られているか、警察官が実際に来て確認するイメージです。

正直、ここで一番つまずくのが内装と書類のズレです。図面では客室が10平米あるはずなのに、現場ではカウンターを増設していて足りない——こういう食い違いがあると審査が止まります。

申請から許可までの標準処理期間は、自治体や警察の案内でおおむね約55日とされる場合があります。ただしこの日数は地域差があるので、必ず申請先の警察署の案内で確認してください。

警視庁

東京都内で営業するなら、手続き案内と業種一覧は警視庁の公式ページで確認するのが確実です。

警視庁は、風俗営業等の業種一覧を公表しています。自分の店がどの営業類型に当たるのか、迷ったらまずここを見ます。

申請様式のダウンロードや、添付書類の案内も警視庁のサイトに載っています。民間の解説サイトを鵜呑みにせず、最後は公的情報で裏を取る。これは実務でも徹底しています。

目次

風営法とは?飲食店が気を付けるポイント/元検事の弁護士が解説
風営法とは?飲食店が気を付けるポイント/元検事の弁護士が解説

この記事では、風俗営業(許可営業)を軸に、営業種別・地域規制・時間規制・人的要件・営業所の基準・申請書類の順で解説します。

  1. 風俗営業(許可営業)の全体像をつかむ。
  2. 自分の店がどの営業種別に当たるかを確認する。
  3. 営業できる地域か(場所的要件)をチェックする。
  4. 営業時間の制限を理解する。
  5. 許可を受けられない人に該当しないか確認する。
  6. 営業所の構造設備基準を満たしているか確認する。
  7. 申請書と添付書類をそろえて提出する。

風俗営業 【許可営業】

風俗営業とは、客の接待や遊技をさせる営業など、風営法第2条で定められた類型に当たる営業のことで、開業前に公安委員会の許可がいります。

許可の判断は3つの軸で行われます。「人的要件」(申請者に問題がないか)、「場所的要件」(営業できる地域か)、「構造的要件」(店の作りが基準を満たすか)です。

日本行政書士会連合会や実務解説でも、この3区分で整理されています。逆に言えば、この3つを全部クリアしないと許可は下りません。

営業種別

風営法の許可・届出が必要な営業は、大きく「風俗営業」「特定遊興飲食店営業」「性風俗関連特殊営業」「深夜酒類提供飲食店営業」に分かれます。

このうち風俗営業と特定遊興飲食店営業は「許可」、性風俗関連特殊営業と深夜酒類提供飲食店営業は「届出」です。手続きの重さがまるで違うので、最初の見極めが肝心です。

風営法の主な営業種別と手続きの区分
区分は風営法(e-Gov法令検索)および警視庁の業種一覧による。
営業種別代表例手続き
風俗営業キャバクラ・ホストクラブ・スナック・パチンコ店・雀荘・ゲームセンター許可
特定遊興飲食店営業深夜にお酒を出して客に遊興させるナイトクラブ等許可
性風俗関連特殊営業店舗型・無店舗型の性風俗営業届出
深夜酒類提供飲食店営業深夜0時以降に主にお酒を提供するバー等届出

実務でよくあるのが、スナックなのに「うちは届出でいいよね」と思い込んでいるケース。接待をするなら届出ではなく許可が必要です。ここを間違えると開業後にひっくり返ります。

営業地域の規制

【明日の行政書士講座】第150回「ノリでも勢いでもない風俗営業業務」
【明日の行政書士講座】第150回「ノリでも勢いでもない風俗営業業務」

風俗営業は、用途地域によっては許可がそもそも認められません。これが場所的要件です。

実務解説では、住居系の用途地域では原則不可、商業地域などでは可と整理されています。物件を借りる前に、その場所の用途地域を確認しないと、契約してから許可が下りないという最悪の事態になります。

私が相談を受けて一番もったいないと感じるのが、内装工事まで終えてから「この場所は許可が出ません」と判明するパターン。家賃も工事費も丸ごと無駄になります。

物件を契約する前に、必ず用途地域と保全対象施設(学校・病院など)からの距離を確認すること。場所が条件を満たさなければ、どんなに店づくりが完璧でも許可は出ません。

営業時間の制限等

風俗営業には営業時間の制限があり、深夜にまたがる営業には特に注意が必要です。

風営法は、善良の風俗と清浄な風俗環境の保持を目的としています。だからこそ、深夜の営業時間や営業方法に規制がかかります。許可を取った後も、この規制はずっと続きます。

深夜0時以降も営業したい飲食店は、別途「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要になる場合があります。風俗営業の許可とは別枠の手続きです。

許可は「取って終わり」ではありません。営業方法・設備・営業時間について、許可後も継続して法規制を受ける。ここを忘れて時間外営業をすると、行政処分の対象になります。

許可を受けることができない人

一定の前科や破産などの事情がある人は、風俗営業の許可を受けられません。これが人的要件です。

風営法には欠格事由が定められていて、これに該当すると申請しても許可されません。法人で申請する場合は、役員全員がこの欠格事由に当たらないことが必要です。

実務で見落としがちなのが法人役員の一人。代表者本人は問題なくても、共同経営の役員に欠格事由があると、法人として許可が下りません。出資者を役員に入れる前に必ず確認します。

営業所の基準

無許可営業の摘発リスクが急増中!風営法の基礎と2025年改正ポイントを行政書士が3つに整理【行政書士監修】
無許可営業の摘発リスクが急増中!風営法の基礎と2025年改正ポイントを行政書士が3つに整理【行政書士監修】

営業所には、客室の床面積や店内の見通しに関する構造設備基準があります。これが構造的要件です。

民間の実務解説では、客室の床面積や見通しに関する基準が紹介されています。ただし具体的な数値は営業種別ごとに異なり、地域でも運用差があるため、必ず申請先警察の一次情報で確認してください。

現場で多いのが、客室を見通しにくくする仕切りや高い装飾の問題。お洒落にしようとして作った間仕切りが、基準に引っかかることがあります。内装業者と先に図面をすり合わせるのが安全です。

申請書 ・ 添付書類等

申請には、営業所の図面、営業方法を記載した書類、店舗の使用権原を示す書類などが必要です。

警視庁や行政書士会の案内でも、この図面・営業方法書・使用権原書類が基本セットとして案内されています。申請手数料は都道府県の手数料条例で定められるため、金額は申請先自治体の公式案内で確認してください。

風俗営業許可申請の主な添付書類
警視庁および日本行政書士会連合会の案内をもとに整理。実際の必要書類は申請先警察署で要確認。
書類内容
営業所の図面客室・調理場・床面積などを記載した平面図等
営業方法を記載した書類どんな接待・遊技を行うかなどの営業内容
使用権原を示す書類賃貸借契約書など、その場所で営業できる根拠
申請者に関する書類住民票・身分証明書など(法人は役員全員分)

書類は1つ欠けても受理されないことがあります。私の実感では、準備で一番時間がかかるのは図面と使用権原まわり。物件契約の段階から、許可申請を見据えて契約書の文言を確認しておくと後がスムーズです。

よくある質問

開業相談で実際によく聞かれる質問を、私の実務経験をふまえてまとめます。

よくある質問

風営法許可とは?
客の接待や遊技をさせる営業など、風営法第2条で定められた営業を始めるために、都道府県公安委員会から受ける許可のことです。キャバクラ・スナック・雀荘・パチンコ店などが対象で、無許可で営業すると刑事罰の対象になります。
風営法許可の費用は?
申請手数料は風営法そのものではなく、各都道府県の手数料条例で定められています。金額は申請先自治体によって異なるため、警視庁や管轄警察署の公式案内で確認してください。行政書士に依頼する場合は、これとは別に代行報酬がかかります。
風営法許可の始め方は?
まず自分の店がどの営業種別(許可か届出か)に当たるかを確認し、次に物件の用途地域が条件を満たすかを調べます。問題がなければ、営業所を管轄する警察署の生活安全課に、図面・営業方法書・使用権原書類などをそろえて申請します。標準処理期間は約55日とされる場合がありますが、地域差があるので管轄警察で確認してください。

最後に一つだけ。風営法許可で失敗する人のほとんどは、物件を契約してから相談に来ます。順番が逆です。場所を決める前に、用途地域と営業種別だけでも先に確認してください。それだけで無駄な出費の大半は防げます。

この記事について質問できますAIが記事をもとに答えます
こんにちは。この記事について、下の候補から選ぶか、自由に質問できます。

栗原 誠司

行政書士(風俗営業・許認可申請専門) ・ キャバクラ・雀荘・スナックなどの風俗営業許可申請サポート実績100件以上
風俗営業許可申請の実務歴12年

行政書士として風俗営業許可申請を専門に扱い、実際の申請実務で得た一次情報をもとに、開業を検討している経営者が現場で使える情報だけを書いています。

メルマガ登録

栗原 誠司
栗原 誠司
行政書士として風俗営業許可申請を専門に扱い、実際の申請実務で得た一次情報をもとに、開業を検討している経営者が現場で使える情報だけを書いています。

記事には書ききれない現場のリアルや最新の動きを、わたしから直接メルマガでお届けします。よかったら登録してください。

登録は無料・いつでも解除できます。