2026年6月20日|風俗営業許可について、制度の正確な解説と実務(費用・流れ・依頼先)を一次情報にあたって整理するメディア。
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風俗営業許可に更新手続きはない|代わりに必要な手続きと費用を解説

栗原 誠司 / 更新:2026-06-18
風俗営業許可に更新手続きはない|代わりに必要な手続きと費用を解説
「風俗営業許可の更新ってどうやるんですか?」と相談に来る経営者は多い。でも結論から言うと、風俗営業許可に更新手続きは存在しません。

許可の有効期限は5年ですが、その先は「更新」ではなく、必要に応じて変更承認・変更届出・書換え・返納といった別々の手続きが発生します。法人化や相続なら許可の取り直しになることもあります。

この記事で分かるのは、いつ・どの手続きが必要かの判断、提出タイミングと費用の目安、所轄警察署への相談の進め方、そして手続きを怠った失敗事例の回避策です。実務で100件以上の申請をサポートしてきた経験から、現場で迷わない順番でまとめました。

風俗営業許可に「更新」はない|まず知るべき大前提

風俗営業の変更手続き(風俗営業許可申請情報チャンネル)
風俗営業の変更手続き(風俗営業許可申請情報チャンネル)

ここを誤解したまま放置すると、無許可営業になってしまうケースがあります。私が一番最初に伝えるのはいつもこの点です。

なぜ更新手続きが存在しないのか

風俗営業許可は、飲食店営業許可のように「期限が来たら更新」という制度設計になっていません。茨城県警察の手続き案内でも、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく手続きとして整理されており、有効期限経過後の更新は規定されていない。

つまり期限が切れたら許可は失効し、改めて新規の許可申請をやり直すことになります。これは継続して営業していても同じです。

飲食店営業許可には更新がある点との違い

スナックやキャバクラを開くと、風俗営業許可と飲食店営業許可の両方を取ることが多い。ここで混乱が起きます。

飲食店営業許可には更新がある。だから「風営の方も更新するんでしょ?」と思い込んでしまう。実際は別物です。飲食店営業許可は保健所、風俗営業許可は公安委員会(所轄警察署)が窓口で、制度もまったく違います。

正直、この取り違えは現場で本当によく見ます。「飲食店の更新ハガキが来たから風営も大丈夫」と思っていた、というのが典型です。

更新がない代わりに発生する手続きの全体像

デリヘルを始めるには(風俗営業許可申請情報チャンネル)
デリヘルを始めるには(風俗営業許可申請情報チャンネル)

更新がない分、状況に応じて手続きが枝分かれします。許可後に発生しうる手続きは大きく5つです。

風俗営業許可・許可後に発生する主な手続き
手続き発生する場面
変更承認申請営業所の構造・設備を変える前
変更届出名称・役員・住所など承認不要の変更
許可証の書換え申請記載事項が変わったとき
認定申請構造・設備の変更が法令基準内であることの認定
許可証の返納廃業・許可の取り直し時

自分のケースがどれに当たるか。まずここを見極めるのが出発点です。

更新の代わりに必要な手続きと提出タイミング一覧

提出タイミングを間違えると手続きそのものが受理されません。特に変更承認は「工事の前」が鉄則です。

更新の代わりに必要な手続きと提出タイミング一覧

変更承認申請が必要なケース(構造・設備の変更)

客室の増減、間仕切りの変更、照明設備の変更など、営業所の構造・設備に手を入れるときは変更承認申請が必要です。ポイントは、工事に着手する前に申請して承認を得ること。

「もう壁を壊しちゃいました」という相談を受けると、私は頭を抱えます。先に承認、それから工事。この順番は絶対に崩せません。

変更届出が必要なケース(名称・役員変更など)

アダルトグッズ通販業を始めるには(風俗営業許可申請情報チャンネル)
アダルトグッズ通販業を始めるには(風俗営業許可申請情報チャンネル)

店の名称変更、法人の役員交代、営業者の住所変更などは、承認ではなく「届出」で済みます。事前承認は不要で、変更後一定期間内に届け出る形です。

承認申請と届出の違いは、ざっくり言えば「営業の実態に関わる構造変更=承認」「形式的な情報の変更=届出」です。役員が変わったのに放置していた、というのが届出忘れの定番パターンです。

許可証の書換え申請・認定申請・返納

書換え申請は、許可証に書かれた事項が変わったときに許可証そのものを直す手続きです。届出と書換えがセットになることもあります。

返納は廃業や許可の取り直しの場面で出てきます。新しい許可証を取得したら旧許可証を返納する、という流れになります。

提出期限とスケジュールの早見表

許可証の有効期限は5年です。継続して営業するなら、期限の前日までに新規申請を出し、審査期間を確保する必要があります。

提出期限とスケジュールの早見表
主な手続きの提出タイミング
手続きタイミングの目安
新規の取り直し(期限満了)有効期限の前日までに申請
変更承認申請構造・設備の変更工事に着手する前
変更届出変更後、定められた期間内
許可証の書換え記載事項が変わったとき速やかに
許可証の返納廃業・取り直しで新証取得後

審査期間は警察の審査基準で55日以内とされています。準備期間を含めると、おおむね2ヶ月は見ておきたい。

【手順】変更承認申請・変更届出の進め方

風俗営業許可に必要な書類は何?
風俗営業許可に必要な書類は何?

ここからは実際の動き方です。所要時間と難易度を先に示します。

所要時間:書類準備に10〜14日、審査に最大55日。難易度:図面が絡む変更承認は中〜高、形式的な届出は低。前提:現に有効な風俗営業許可を持っていること、変更内容が確定していること。

ステップ1:所轄警察署へ事前相談する

いきなり書類を作らない。まず所轄警察署の生活安全課に電話して、相談の予約を取ります。これが絶対条件です。

相談時に持っていくのは、現在の許可証の写し、変更内容が分かるメモ(変更後の図面案・役員名簿など)。担当者に「この変更は承認か届出か」を確認するだけで、後の手戻りが激減します。

ここまでできていれば正しい:自分のケースが承認・届出・書換えのどれに該当するか、担当者の口から確認できている状態です。

ステップ2:必要書類を集める(住民票・登記事項証明書・図面)

事前相談で確定した手続きに合わせて書類を集めます。代表的なものを並べます。

必要書類とおもな取得先
書類取得先・方法
住民票(本籍記載・マイナンバー不要)市区町村の窓口・コンビニ交付
登記事項証明書(法人の場合)法務局・オンライン請求
営業所の平面図・求積図設計事務所・自作(承認申請時)
許可証の写し手元の原本をコピー

つまずきやすいのが住民票です。マイナンバー記載のものを取ってしまうと出し直しになります。本籍記載・個人番号なしで取りましょう。

ステップ3:申請書を作成・提出する

様式は所轄警察署や都道府県警のサイトで配布されています。変更承認申請書、変更届出書など、手続きごとに様式が分かれます。

ステップ3:申請書を作成・提出する

記入したら添付書類とセットで所轄警察署に提出。窓口で形式チェックを受け、不足があればその場で指摘されます。提出が受理されれば、変更届出はその時点で完了に近い扱いです。

ここまでできていれば正しい:窓口で受理印または受付の控えを受け取れている状態。

ステップ4:審査と完了確認の目安

変更承認申請は審査があります。新規申請と同じく、警察の審査基準は55日以内。承認が下りるまでは変更後の構造での営業はできません。

承認通知や新しい許可証を受け取ったら手続き完了です。この手順で、店舗改装に伴う変更承認まで自分のケースを進められます。届出だけのケースなら、受付控えを保管した時点で完了とみなして問題ありません。

費用と行政書士報酬の目安|総額シミュレーション

気になるお金の話です。実費(行政手数料)と、行政書士に頼む場合の報酬は分けて考えます。

手続き別の実費の目安

新規許可申請(取り直し含む)の手数料は地域で差があります。確認できている公式の数値を挙げます。

新規許可申請の手数料(地域差あり)
地域・営業種別手数料
茨城県 1号営業(スナック等)24,000円
千葉県(検定遊技機ありの場合)27,800円
埼玉県 申請手数料27,800円

同じ風俗営業でも都道府県によって金額が違う。これは公安委員会ごとに手数料が定められているためです。自分の所轄の金額は事前相談で必ず確認してください。

行政書士に依頼した場合の報酬相場

報酬は事務所と手続き内容で幅があります。新規許可申請は図面作成・現地調査・書類一式を含むため、変更届出より高くなるのが普通です。

行政書士に依頼した場合の報酬相場

正直に言うと、変更届出だけなら自分でやれる人も多い。一方で、構造変更を伴う変更承認や新規の取り直しは図面の精度が命なので、ここは私なら専門家に任せます。具体的な報酬額は各事務所の料金表で確認してください。

自分でやる場合と依頼する場合の比較

自分でやる/依頼するの比較
項目自分でやる行政書士に依頼
費用実費のみ実費+報酬
手間図面・書類を全部自前ヒアリングと署名中心
向くケース形式的な変更届出新規・構造変更・相続・合併

判断軸はシンプルです。図面と審査が絡むなら依頼、形式変更だけなら自力。これが私の基本スタンスです。

個人から法人成り・相続・合併のときの手続き

ここが一番落とし穴の多い領域です。「名義を変えればいい」と思っていると、痛い目を見ます。

個人から法人化したら許可は取り直し

個人で取った風俗営業許可は、その個人に紐づいています。法人化(法人成り)すると営業主体が変わるため、許可は法人名義で新規に取り直しになります。

つまり同じ店・同じ場所でも、新規申請と同じ手数料・審査期間がかかる。法人化のタイミングは、この取り直しの空白期間を作らないよう逆算して決めるべきです。

相続による承認申請の手順と添付書類

個人営業者が亡くなった場合、相続人が営業を引き継ぐには相続人承認申請を行います。相続人承認申請書に、相続関係を示す戸籍などの書類を添えて提出します。

相続による承認申請の手順と添付書類

承認を受けるまでの間に営業を続けられるかどうかは時期がシビアなので、亡くなったらすぐに所轄へ相談してください。後回しにすると無許可営業のリスクが出ます。

合併による承認申請の手順と添付書類

法人営業者が合併する場合は、合併承認申請書を提出します。合併契約書や登記事項証明書など、合併の事実を示す書類が添付資料になります。

相続も合併も、承認という制度で許可を引き継げる点が、個人の法人成りとの大きな違いです。法人成りだけは引き継ぎではなく取り直し、ここを混同しないでください。

名義変更ができない点への注意

はっきり書きます。風俗営業許可は名義変更できません。

事業譲渡で店を他人に売っても、許可は付いてきません。買った側が改めて新規許可を取る必要があります。飲食店営業許可は名義変更で引き継げる場合があるため、ここでも風営との違いに注意してください。

【独自】手続きを怠った失敗事例と回避策

ここは私が現場で見てきた話です。一般論では伝わらない怖さがあります。

変更届出を忘れて行政処分を受けた例

役員が交代したのに変更届出を出していなかった店がありました。立入りの際に名簿と登記の不一致が発覚し、指導を受けた。届出は形式的だからと軽く見られがちですが、放置は法令違反です。

変更届出を忘れて行政処分を受けた例

回避策はひとつ。変更が起きたら、その場で「これは届出か承認か」を所轄に電話確認する習慣をつけることです。

営業停止・罰則のリスク

無承認で構造を変えて営業した、期限を過ぎて無許可状態で営業を続けた。こうしたケースは行政処分(営業停止)や罰則の対象になり得ます。

特に有効期限切れは「更新がある」という思い込みから起きやすい。5年というスパンは、人が忘れるには十分長いんです。

つまずきやすいポイントと先回りの対処

うまくいかないときの典型は、(1)工事を先にやってしまう、(2)住民票をマイナンバー入りで取る、(3)期限を失念する、の3つ。

対処は、許可証の有効期限を取得時にカレンダー登録し、満了の半年前にアラートを出すこと。私は依頼者には必ずこれを勧めています。

営業の種類別・地域別の留意点

風俗営業は種類で扱いが変わります。地域差もあります。一律ではありません。

社交飲食店・麻雀店・パチンコ店で異なる点

社交飲食店(スナック・キャバクラ等)は1号営業、麻雀店やパチンコ店は別の号数になります。パチンコ店は遊技機が絡むため、検定遊技機の有無で手数料が変わります。

社交飲食店・麻雀店・パチンコ店で異なる点

千葉県警察の資料では、検定遊技機ありの場合の許可申請手数料が27,800円と示されています。遊技機の入替自体が別の手続きを伴う点も、パチンコ・麻雀店特有の注意点です。

東京都とそれ以外の地域差

手数料は前述のとおり都道府県で差があります。運用面でも、添付書類の細かな指定や図面の求められ方が所轄ごとに違うことがある。

だから「ネットで見た他県の事例」を鵜呑みにしない。自分の所轄に直接確認するのが、結局いちばん早くて確実です。

審査期間と営業再開までのリードタイム

審査は55日以内が基準。新規取り直しや構造変更を伴う承認では、この期間中は変更後の営業ができません。

準備に2週間、審査に最大55日。改装オープンや法人化のスケジュールは、ここから逆算して組んでください。前倒しで動いて損はありません。

よくある質問(FAQ)

相談現場で繰り返し聞かれる3つに、端的に答えます。

よくある質問

風俗営業許可の更新手続きとは?
風俗営業許可に更新手続きはありません。有効期限は5年で、期限を過ぎると許可は失効します。継続するには有効期限の前日までに新規の許可申請を出し、審査期間(最大55日)を確保する必要があります。
手続きにかかる費用はいくら?
新規許可申請の手数料は地域で異なり、茨城県では24,000円、千葉県・埼玉県では27,800円(検定遊技機ありの場合等)です。変更届出など手続きの種類によっても費用は変わります。行政書士に依頼する場合は別途報酬がかかります。
手続きはどこから始めればいい?
まず所轄警察署の生活安全課に電話して事前相談の予約を取ることから始めます。現在の許可証の写しと変更内容のメモを持参し、自分のケースが承認・届出・取り直しのどれに当たるかを確認してください。

最後に一言。風営の許可で一番怖いのは、知らないうちに無許可状態になっていることです。今日できる一歩として、手元の許可証の有効期限を確認し、満了日をカレンダーに入れてください。それだけで失敗の大半は防げます。

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栗原 誠司

行政書士(風俗営業・許認可申請専門) ・ キャバクラ・雀荘・スナックなどの風俗営業許可申請サポート実績100件以上
風俗営業許可申請の実務歴12年

行政書士として風俗営業許可申請を専門に扱い、実際の申請実務で得た一次情報をもとに、開業を検討している経営者が現場で使える情報だけを書いています。

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